傷寒の治療(診察篇)

ネモフィラ
今回も傷寒(主にカゼ症状)の治療ですが、素問・霊枢・難経・傷寒論などを勉強している鍼灸師向けです。

精気の虚がなければ外邪の侵入を許さないことが基本となりますので何らかの症状が現れた時点で五臓のどれか、または複数の臓の精気が虚していることがわかります。

診察では病症の問診の他、脈状、肌の状態、お腹などで判断します。

傷寒は基本的に外側から病が進んでいくので先ず肌の状態を見ます。

かさつきや汗の有無、汗が出ている場合はどの程度か、あとは熱感などもよく観察します。

お腹は臍とその上下左右どこが詰まっているか、ゆるくなっているかなどを見ますが傷寒の場合は参考にならないこともあります。

脈は浮沈で病の深さ、遅数で寒熱、滑渋で気血の流れ具合とある程度の寒熱、虚実で精気の虚と邪気の実どれだけあるかを見ます。

傷寒は悪寒、発熱、頭や首のこわばり痛みから始まりますが悪寒で汗が漏れている程度なら脈は浮渋、汗が出ず発熱し頭痛などが出てくると脈は浮で数、滑などになってきます。

そして病が進んでいくと脈も沈んでいくのでそうなる前に治療をして病の進行を止めなければなりません。